顕鏡寺

今は昔、京にお姫様がいました。お姫様はある男と恋に落ちましたが、ある男は身分の低いもので、大臣である父から別れるように言われました。しかし、別れることができずに、二人の新天地を求め、東へ下りました。そして、岩窟があるこの地に着ました。そこで、岩若丸という男の子が生まれました。岩若丸はスクスクと成長しました。ある日、岩若丸は落石に遭い、幼くして命を失いました。父親はその姿をみて、悲しみにくれ、数日念仏を唱えました。すると、岩若丸が生きかえりました。ところが、岩若丸の母の姿が見えません。失意のあまり飛び出て行ったのでしょうか。
父親は、かつて姫様であった妻を探す旅にでで、岩若丸を知人に預けました。そのとき、父親は鏡を二つに分け、半分を岩若丸に渡しました。岩若丸は成長し、父を探す旅に出ました。あるところに、目の見えない老人が鏡を持ちながら念仏を唱えていました。岩若丸が持っていた鏡と合わせるとピッタリ合いました。その老人は父だったのです。しかし、父はすでに病にむしばまれ、すぐになくなってしました。岩若丸は母のふるさとである京に上り、母のことを伝えたところ、みな驚いたそうです。岩若丸はその後、今の顕鏡寺の和尚さんになりましたとさ。

お寺の名前の由来はこの岩若丸の話からきています。本堂には龍の彫刻がありますが、地元の中学校の美術の先生が塗ったそうです。

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